美容室の廃業率は90%!?潰れやすい美容室の特徴と成功するポイントとは
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美容室は廃業率が高いといわれていますが、実際はどうなのでしょうか?
本記事では、廃業率の数値や一般企業との比較、潰れやすい美容室の特徴などについて、詳しく解説していきます。
美容室の廃業率は?
美容系のサロン(美容室・エステサロン・まつ毛エクステサロンなどを含む)の廃業率は、独立後1年以内で60%、3年以内で90%、10年以内では95%程度といわれています。
20年以上経営が続く美容室は、全体の0.3%程度ともいわれているようです。
一般的に、新たに設立した会社や個人事業主の1年後の生存率が約72%、3〜5年後は40〜50%程度であるため、美容室を含む美容系サロンの廃業率は、世の中一般と比較しても、高いといえるでしょう。
美容室の廃業率が高い理由
美容室の廃業率が高い大きな原因として「競争率が高い」ことが挙げられます。
「美容室の数はコンビニよりも多い」ということを、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
実際の統計結果にも明確に表れており、厚生労働省によると、2023年度末現在の美容室の数は269,889施設となっています。
美容室の数は、順調に毎年3,000件前後増加しており、今後も増加することが予測されるでしょう。
また、施設当たり・従業美容師当たりの日本の人口は年々減少しており、競争率の激化も明確に表れているといえます。 とはいっても、美容師として一定以上の高い年収を得るには、やはり「独立」の選択が一般的でしょう。
潰れてしまう美容室の3つの特徴
潰れてしまう美容室の主な特徴は、以下の3つです。
潰れてしまう美容室の3つの特徴 ●経営者が事前に経営の知識を備えていない ●簡単に集客できると思っている ●人間力がない・経営者としての素質を心得ていない |
それぞれみていきましょう。
1.経営者が事前に経営の知識を備えていない
1つ目の特徴は、経営者が事前に経営の知識を備えていないことです。
独立する美容師の中には、準備の段階や、独立した後で徐々に経営についての勉強をすれば良いと考えている方もいます。
ただし、業績好調な美容室を目指すのであれば、独立を検討する時点で経営知識を蓄えておくべきです。
なぜなら、美容室に関する事業計画を立てたり、物件を探したり、仕入れ先を決めたりする際にはすでに、経営の知識・数字での把握が必須になるからです。
売上の見込みや経費(水道光熱費・広告宣伝費・人件費・材料費)、利益率などを把握しておかなければ、継続して収益を挙げられるお店づくりはできません。
結局、開業後の資金繰りも行き当たりばったりでおこなってしまい、借金を重ねることになってしまっては、より業績の見通しも悪くなり、廃業に追い込まれてしまうのです。
よって、事前に経営の知識を備えていない場合、美容室を開業しても潰れる可能性が高まるでしょう。
2.簡単に集客できると思っている
2つ目の特徴は、簡単に集客できると思っているがゆえに、計画的な集客やマーケティングの戦略を立てていないことです。
集客力を見誤ると、計画外の広告宣伝費がかかり、経営状況が悪くなるおそれがあるためです。
独立する前の雇われ美容師であった頃に、自分の指名客が多くついていたとしても、独立後にそのお客様が来てくれるとは限りません。
独立後の店舗のエリアや交通アクセスによっては、今までの店舗に来てくれていたお客様が足を運びにくくなったり、そもそも以前は「なんとなく」で指名していたりするケースもあります。
美容師を指名する理由は人それぞれですが、「今までのお客様は来てくれない」という前提で、チラシやWeb広告、予約サイトなどにかける広告宣伝費を見積もっておくとよいでしょう。
また、現在ではSNSでの集客も主流になっていますので、独立前からフォロワーを増やしておくことも、強い集客力につながります。
3.人間力がない・経営者として心得を理解していない
3つ目の特徴は、人間力がないことや、経営者としての心得を理解していないことです。
どれだけ美容師としての技術があったとしても、お客様へ丁寧な対応ができていなかったり、従業員が働きやすい環境づくりができなかったりすると、その美容室に人は集まってきません。
厚生労働省の調査においても、美容室に行くのをやめた理由として「担当者の技術や提案が良くなかったから」という理由は、女性において2位(男性は3位)となっています。
お客様1人1人にしっかりとカウンセリングを行い、顧客情報を管理し、丁寧に提案してくれることが、美容室を選ぶ大きな基準の1つになっているともいえるでしょう。
また、美容師は「労働時間が長く、給料が少ない」というイメージがあるという方も多いのではないでしょうか。
従業員を雇う場合は、スタッフが定着してくれなければ、求人広告の掲載費や、教育費はかさむ一方です。
優良なスタッフが定着し、全員が一丸となって良い美容室をつくるためにも、労働環境・教育体制の整備や従業員のケアは必須となります。
よって、お客様に丁寧な対応ができない、従業員のことを考えられない経営者は、早く廃業してしまうリスクが高いでしょう。
美容師が独立して成功するための5つのポイント
美容師が独立開業し、成功するための主なポイントは、以下の通りです。
美容室が成功するための5つのポイント ●開業後のランニングコストも具体的に把握しておく ●コンセプトやターゲットを明確にする ●出店地の選択は重要である ●お客様1人1人に合わせた丁寧な提案・接客をする ●働きやすい環境づくりと従業員のケア |
ここまでは、美容室の廃業率が高いことや、美容室が潰れてしまう理由を解説してきました。
しかし、みなさんのお住まいの周辺には、長年経営が続いている美容室もあるでしょう。
美容室の競争率が高いことは事実ですが、経営者としての意識を高く持ち、誠実な経営を行っていれば、お客様から長く愛される美容室をつくりあげることももちろん可能です。 そのためのポイントを5つ、解説していきます。
1.開業後のランニングコストも具体的に把握しておく
美容室の開業準備では、初期費用だけでなく、開業後のランニングコストをできる限り具体的な数字で把握しておくことが重要です。
美容室の独立開業時には、物件の初期費用や美容機器、材料費など、まとまった費用がかかるため、どうしても初期費用ばかりに目が行きがちになります。
ただし、融資を受ける場合は、開業後に毎月返済していかなければなりません。
自身の手取り額は、売上から水道光熱費・通信費・広告宣伝費・材料費などの経費を引いたお金から、さらに融資の返済額が引かれてしまいます。
自信を持って接客・施術することは大事ですが、自分の力を過信せず、集客に必要な広告宣伝費も具体的に見積もったうえで返済計画を立てなければ、さらに借金を重ねることにもつながるため、注意しましょう。
また、融資返済額の利息は経費として計上されますが、借入金の元金は経費にならず、税金が課せられてしまうことも覚えておきましょう。
2.コンセプトやターゲットを明確にする
美容室を開業するうえで、すべての軸になるのがお店の「コンセプト」。
コンセプトとは、そのお店の売りや魅力を一言で表すものです。
例えば、「大人世代特化サロン」「韓国ヘアが得意なサロン」「完全個室の髪質改善専門店」など、お店ごとに様々なコンセプトが打ち出されています。
コンセプトが明確であれば、ターゲット、出店エリア、メニューの内容、クーポンの内容な
ど、すべてを決めるための軸ができ、店舗としての魅力がブレません。
よって「この美容室に行きたい」と思って来てくれるお客様が増え、リピートにつながり、客層もコンセプトに適合してくるため、より美容室としての魅力が高まるという好循環にもつながります。
自分が得意な施術、自分が好きな雰囲気、出店エリアの雰囲気、客層などを踏まえ、オリジナリティが高いコンセプトや、需要の高いコンセプトを決めるようにしましょう。
3.出店地の選択は重要である
美容室を開業する上で、上述のコンセプトやターゲットなど、決めることはたくさんありますが、出店地の選択が特に重要だといえます。
なぜなら、店舗の立地やアクセスは、お客様が美容室を探すうえでも最も重要な要素となるためです。
厚生労働省の調査では、「美容室利用者のお店選定の決め手」第一位が「行きやすい場所にあるから」でした。
美容業は、生活に必須なサービス業ではないものの、お客様が1度定着すれば、定期的な来店が見込める特殊なサービス業です。
(例えば飲食店は、どれだけお店を気に入ったとしても、次に来店するかどうかはわかりません。一方、美容室は、一度来店して満足すれば高い確率で次回も来店するのではないでしょうか。)
その点でも、美容室の決め手として、「行きやすいかどうか」が需要なポイントとなります。
駅の近くや周辺の治安など、コンセプトを踏まえてお客様が「通いやすい場所」に開業することを意識しましょう。
ただし、ご存知の通り「良い場所」は家賃が高い傾向にあります。 立地と家賃のバランスを考えたり、不動産業者と交渉したりすることも、経営者の腕にかかっているといえるでしょう。
4.お客様1人1人に合わせた丁寧な提案・接客をする
美容師は基本的に、お客様と1対1で接客するため、お客様への姿勢や対応・そして1人1人に合わせた提案力も非常に重要なポイントです。
美容室を選ぶ決め手として「担当者の提案が良いから」「担当者やスタッフの接客態度やマナーが良いから」という理由を挙げる人は非常に多いためです。
美容室で「自分の希望を伝えたけど、どこか思い通りにならなかった…」という経験がある方も多いのではないでしょうか?
そのような思いを一度経験すると、「もう一度行こう」という気持ちにはなりにくいですよね。
この場合、お客様はすぐに離れてしまい、また新たなお客様を1から獲得しに行かなければなりません
お客様が話しやすい雰囲気を作り、お客様の希望のスタイルをいかに聞き出せるか、というコミュニケーション能力や接客力も、美容師・美容室としての技術に含まれています。
5.働きやすい環境づくりと従業員のケア
5つ目のポイントは、経営者として、労働環境を整備することです。
「美容師は労働時間が長い」といわれていますが、だからといって、自分が雇用するスタッフに長時間労働をさせても良いというわけではありません。
雇用者・労働者ともに働きやすく、お互いが良い関係を保てるように、ルールはしっかりと定め、全員がモチベーションを高く保てる職場づくりを行うべきです。
美容業は、お客様ありきのサービス業なので、どうしてもお客様優先になってしまいますが、同じくらい従業員の働きやすさや健康も重要です。
スタッフ全員が高い志をもって働ける環境をつくれば、その雰囲気はお客様にも伝わり、好印象を持ってもらえます。
「美容師だから安月給で長時間労働をさせる」「スタッフのことは後回し」ということにならないよう、従業員をまとめる経営者としての自覚をしっかりともちましょう。
まとめ
美容室の廃業率は、一般企業と比較して高く、1年以内には60%が、3年以内には90%が廃業するといわれています。
美容室の数は年々増えており、2023年度末の時点では26万店舗以上にも及びます。
非常に競争率が高いことは目に見えてわかりますが、だからといって、美容室には長期間経営できる未来がないというわけではありません。
経営に関する勉強を重ね、知識を蓄え、売上・経費・収益率など具体的な数字で分析し、計画的な経営を行えば、長年にわたって愛される美容室をつくりあげることも可能です。
甘い世界ではありませんが、独立・開業で成功したいという想いをもたれている方は、知識や技術の習得を怠らず、経営者としての自覚を持って取り組むことで、その夢はより現実に近づくでしょう。
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