美容師の仕事内容とは?年収や国家試験の難易度、資格取得までの流れを徹底解説!

OVERVIEW
INDEX
目次
  • 美容師とは
  • 美容師と理容師の違い
  • 美容師と理容師のダブルライセンスについて
  • 美容師の就職先
  • 美容師の年収
  • 美容師の現状と今後の需要は?
  • 美容師国家試験の合格率は?難易度は高い?
  • 美容師国家試験について
  • 美容師国家試験の過去問
  • 美容師国家試験の過去問演習には過去問研究所@Candyzがおすすめ!
  • 美容師国家資格まとめ

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美容師と理容師はともにお客様の髪の毛を扱い、ヘアカットやカラーリング、ヘアセットなどの専門技術でお客様に喜んでいただける素晴らしい仕事です。

美容師は特に、「お客様の容姿を美しくすること」に特化しており、一般的な美容室での業務以外にも、ヘアエクステやネイル、まつ毛エクステなどに関する知識も勉強し、より幅広い分野で活躍できます。

一方で、シェービング(顔そり)など、理容師にしかできない業務もあり、進路やキャリアを考える際には注意が必要です。

本記事では、美容師と理容師の違いも含めて、美容師の仕事や国家試験について詳しく解説していきます。

美容師とは

美容師は、美容師法で「パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすることを業とするもの」と定められています。

参考:美容師法第2条の1、2

カット、パーマ、カラーリング、ヘアセット、ヘアメイクに加え、着付け、ネイル、まつ毛エクステなど、容姿を美しくするための施術は美容師の業務に含まれます。

近年、SNSの普及や男女問わない美容意識の高まりにより、単なるヘアカットやカラーリングだけでなく、高品質な技術や幅広いサービスへの需要も増えているといえるでしょう。

美容師と似た資格に「理容師」がありますが、明確な違いを理解できていない方も多いのではないでしょうか。

では、美容師と理容師の違いについて詳しくみていきましょう。

美容師と理容師の違い

理容師と美容師の違いについて、以下の項目に沿って解説していきます。

業務範囲の違い
● 国家試験受験資格の違い
● 試験範囲の違い

業務範囲の違い

美容師と理容師では、業務できる範囲が異なります。

最も大きな違いは、美容師は業務として顔そりや髭そりが行えませんが、理容師は行えるということです。

ただし、仕上げなどの軽い程度の顔そりは美容師でも容認されているため、どう解釈するかについてはグレーゾーンであることも事実です。

1つのメニューとして、本格的に顔そりのサービスを提供したい場合は、理容師の資格を取得する必要があります。

また、美容師の業務の目的は「容姿を美しくすること」、理容師は「容姿を整えること」にあります。

美容師は美容師法で、理容師は理容師法で定められる国家資格であり、それぞれの業務内容は以下のように定められています。

美容師法第2条の1
「この法律で「美容」とは、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいう。」

  理容師法第1条の2の1
「この法律で理容とは、頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えることをいう。」

また、理容師法上では理容として「頭髪の刈込、顔そり」が挙げられていますが、厚生労働省の「理容師法概要」によると、パーマやカラーリングも理容の範囲に含まれるとされています。

実務的には仕上げとしてのヘアセットも業務に含まれるため、美容師と理容師は共通する部分が多いことも事実です。

国家試験受験資格の違い

美容師・理容師になるには、美容師・理容師養成施設を卒業後、国家試験に合格し、免許申請を行い、免許を得るという流れを踏みます。

美容師になる場合は、厚生労働省令で定められる養成施設の美容師課程、理容師になる場合は理容師課程を修了する必要があります。

美容師・理容師ともに、養成施設で学ぶ期間は、昼間課程・夜間課程2年以上通信課程3年以上です。

試験範囲の違い

美容師と理容師は、国家試験の内容に違いがあります。

具体的には、筆記試験5分野のうち1分野の出題内容と、実技試験の内容が異なります。

理容師・美容師共通で出題される分野は以下の4つです。

  • 関連法規・制度及び運営管理
  • 衛生管理(公衆衛生・環境衛生、感染症、衛生管理技術)
  • 保健(人体の構造及び機能、皮膚科学)
  • 香粧品化学

これらに加えて、美容師試験では「文化論及び美容技術理論」、理容師試験では「文化論及び理容技術理論」が出題されます。

参考:新制度による筆記試験実施要領|公益財産法人理容師美容師試験研修センター

それぞれの課目の試験内容については、後段の美容師国家試験についてにて、詳しく解説していますので、ぜひご確認ください。

理容師試験について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。

美容師と理容師のダブルライセンスについて

美容師と理容師のダブルライセンスを取得することも可能です。

平成30年度には、美容師法と理容師法が改正され、ダブルライセンスが取得しやすくなりました。

従来は、ダブルライセンスを取得するには、昼間・夜間課程であれば美容課程と理容課程を2年ずつ、合計4年間学ぶ必要がありました。

しかし、法改正により、どちらかの免許を取得済みの場合は、もう一方の課程を学ぶ際に重複する履修課目が免除され、短期間で2つ目の資格を取得できるようになりました。

昼間・夜間通学課程の場合は2年→1年、通信課程の場合は3年→1.5年

参考:Q&A|公益財団法人 理容美容教育センター

ダブルライセンスの取得方法

昼間・夜間通学課程であれば、2年間で美容師免許取得→1年間で理容師免許取得と、3年間でダブルライセンスを取得することができます。

また、養成学校によっては、昼間・夜間課程の途中でもう一方の資格の通信課程に入学し、トータル2.5年でダブルライセンスを取得できるところもあるようです。

ダブルライセンスを取得する流れの例をご紹介します。

2024年4月【美容科入学】

昼間・夜間美容課程(2年間)

2025年3月【美容師国家試験受験】
2026年4月【合格・美容師免許取得】

昼間・夜間理容課程(1年間)

2026年3月【理容師国家試験受験】
2027年4月【合格・理容師免許取得】

  →3年後にダブルライセンス取得!

ダブルライセンスのメリットは?

美容師と理容師のダブルライセンスを取得するメリットは、主に以下の3つです。

専門知識が増える

美容課程であればヘアメイクや着付け、理容課程であればシェービング(顔そり・髭そり)などの専門分野があります。

特に、美容師資格だけではメインのサービスとしてのシェービング(顔そり)は提供できませんが、理容師資格を取得することでシェービングを含めた専門技術を用いてサービスを提供することができます。

共通課目が多い資格同士ではあるものの、それぞれの専門知識を保有していることが客観的に判断できる国家資格を保有していることは大きなメリットです

活躍の場が広がる

美容師と理容師のダブルライセンスがあれば、シェービング(顔そり・髭そり)を提供する理容室でも、ヘアメイクや着付けを行う結婚式場でも、知識やスキルを活かすことかが可能です。

また、最近では、SNSの普及などによっても男女問わず美容意識の高まりが見られ、シェービングやヘッドスパ、エステなどを提供するトータルビューティサロンの人気が高まっています。

ダブルライセンスを取得することで「髪の毛を扱う」だけでなく、お客様を美しくするためにより幅広く活躍する機会を得やすくなるでしょう。


すでに一方の資格で経験を積んだ方で「異なる分野に挑戦したい」「自分のキャリアを広げたい」と思った方にもおすすめです。

お客様から信頼される

美容師・理容師のダブルライセンスがあることで、カット、カラーリング、パーマ、シェービング(顔そり・髭そり)、ヘアメイク、着付けなど、容姿を整え美しくするための全てを任せられるというお客様からの信頼にもつながります。

美容師の就職先

美容師の主な就職先は、以下の通りです。

美容室
理容室
カラーリング・ヘアエクステンション専門サロン
結婚式場
ヘアエステ・ヘッドスパサロン
眉毛サロン・まつ毛エクステンション専門サロン
病院・福祉施設(高齢者施設・障害者施設など)

美容師の就職先として最もイメージしやすいのはヘアカットやカラーを提供する「美容室」でしょう。

ただし、美容師はヘアセットや着付けの専門知識も有しているため、結婚式場やその他の美容サロンでの就職も可能です。

詳しくみていきましょう。

美容室

美容室では、シェービングをサービスとして提供することはできませんが、「容姿を美しくすること」を目的として、よりデザイン性の高いカット、カラーリング、パーマ、ヘアメイクなどのスキルを提供し、専門技術を身につけられます。

また、美容師と理容師のダブルライセンスを保有していれば、理容所と美容所を兼ねたサロンでも働くことができます。

(美容師と理容師双方の資格を保有している者しか従事できません)

参考:○理容所と美容所の同一場所での開設(重複開設)に関すること|東京都保健医療局

理容室

美容師資格のみを有している場合は、理容室(理容所の届出を行い、確認を受けた理容所)で働く(理容を行う)ことはできません

理容師の資格を取得すれば、理容室でヘアカットやシェービングなどの提供が可能です。

最近では、サイドをすっきりと刈り上げたバーバースタイルも流行しており、「理容室はおしゃれな場所」というイメージも強くなってきています。

その他にも、1000円カット等のクイックカットサービス店に就職するという選択肢もあるでしょう。

理容室には、大手企業が運営するチェーン店舗もあれば、個人経営で地域のお客様向けに経営している店舗もあり、働き方や環境、キャリアなどはさまざまです。

カラーリング・エクステンション専門サロン

美容室のなかにも、カラーリングやヘアエクステンションを専門にしたサロンが多くあります。

美容師養成学校で学んだ専門知識を活かしつつ、より自分自身の得意分野や専門分野を深めることで、他の美容師との差別化にもつながります。

通常の美容室に勤務した後、より分野を絞った専門サロンへ転職するという選択肢もあるでしょう。

結婚式場

結婚式場では、美容師として新郎新婦や親族のヘアセット、メイク、着付けなどを行います。

お客様にとって貴重で特別な瞬間に立ち会い、喜びや幸せを感じられる仕事です。

華やかな仕事でありながら、施術の技術はもちろん、コミュニケーションスキルやマナーなど、フォーマルな場にふさわしい振る舞いが求められるため、体力・精神力が必要な部分も多くあります。

トータルビューティサロン

ヘアカットやヘアセットだけでなく、まつ毛・眉毛・ネイルなど幅広い美容のサービスを提供するトータルビューティサロンで働くという選択肢もあります。

特に、まつ毛エクステの施術を行う「アイリスト」になるには、美容師資格が必須ですので、国家資格を活かすこともできます。

近年では、男性・女性問わず美容意識の高まりが見られるため、ヘア関連だけでなく、幅広い美容の専門知識やスキルを身につけることで、美容師としての市場価値も高めていけるはずです。

ヘアメイク事務所

ヘアメイク事務所は、雑誌・テレビ・映画などのメディアにおける出演者、ファッションショーやイベント、広告のモデルに対してヘアメイクを担当するプロが所属しています。

作品や広告の世界観・コンセプトを理解した上でヘアメイクを施し、より良い作品を作り上げるための一員として、毎回の現場でスキルを発揮する仕事です。

事務所に所属して自身の知識やスキル、センスを磨き、1人のヘアメイクアーティストとして地位を築いて独立するという道もあります。

病院・福祉施設(高齢者施設・障害者施設など)

病院や福祉施設に併設されており、入院患者や施設利用者に対して美容サービスを提供する美容室に就職するという選択肢もあります。

ヘアカットやカラーリング、ヘアセットだけではなく、がん治療で髪の毛が抜けてしまった方へのウィッグの販売、お手入れなどを行うこともあるでしょう。

高齢者や障害者の方へ理容サービスを提供する場合は、より身体状況や障害の特性に関する専門的な知識や技術を証明する「認定福祉美容介護士」「福祉理美容師」などの資格を取得すれば、よりお客様やご家族の信頼も得られるでしょう。

詳しくはこちら⇩

認定福祉理容・美容介護師(R)|特定非営利活動法人 医療福祉情報実務能力協会

福祉理美容士とは|認証NPO法人 日本理美容福祉協会

美容師の年収

理容師の年収は、全国平均で約330万円程度となっています。

年齢別でみると、新卒の年齢である20〜24歳では約259万円、最も年収が高いのは45〜49歳で約404万円です。

参考:理容師|job tag(職業情報提供サイト)

国税庁による「令和4年度分 民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は457万6000円であったため、美容師の年収は平均を下回る金額となっています。

ただし、美容師はヘアメイクアーティストとしての独立、トータルビューティサロンでの美容施術など、選択肢は理容師よりも幅広いといえるでしょう。

起業や独立などにより、高収入を実現できる可能性は大いにあるといえます。

美容師の現状と今後の需要は?

美容室・美容師の数はともに、年々増加しています。

厚生労働省の調査によると、令和4年度の美容室数は26万9,889施設従業美容師数は57万1810人でした。

【美容師室数と美容師数の推移】

年度美容室数
(単位:施設)
前年比従業美容師数
(単位:人)
前年比
平成28年度243,360+3,061509,279+4,581
平成29年度247,578+4,218523,543+14,264
平成30年度251,140+3,562533,814+10,271
令和元年度254,422+3,282542,089+8,275
令和2年度257,890+3,468549,935+7,846
令和3年度264,223+6,333561,475+11,540
令和4年度269,889+5,666571,810+10,335

美容師数は年々増えていますが、美容室数も増えているため、就職先に困ることは少ないでしょう。

ただし、美容室の数はコンビニの店舗数より4~5倍ほど多く(2023年5月末のコンビニ9チェーン店舗数合計は5万7,978店舗)、美容室の飽和状態は否めません。

そんな中でも、やはり美容師として高いスキル・実力・センスを持ち合わせていれば、競争率が高い美容業界でも生き残りやすくなるでしょう。

また、現代では美容業界の集客においてもSNSマーケティングが主流となっています。

いかにSNSやインターネットを活用して自身のスキルやサービスに魅力を感じてもらい、顧客となっていただけるかが大変重要です。

美容師として、将来的に高収入を目指す場合、店舗や企業に雇用されるのではなく、個人事業主(フリーランス)として業務委託契約を結んで働いたり、店舗の開業を目指したりという道もあります。

美容室数、美容師数が増えているからといって、美容師には将来がないというわけではありませんが、競争率の高い美容業界で実績を作り、年収を上げていくには、戦略や計画的なキャリアの構築が必要となるでしょう。

美容師国家試験の合格率は?難易度は高い?

美容師国家試験の合格率は、春期で約85〜90%、秋期で約50〜60%程度を推移しています。

春期試験では、秋期試験で不合格だった人が再挑戦する場合が多く、合格率が高い傾向にあるともいわれています。

受験者数が1万8,000〜2万人程度、秋期試験では5,000〜6,000人程度と大きな差があることも、合格率が異なる要因といえるでしょう。

実施回受験者数合格者数合格率
第48回(令和5年度)4,149人2,478人59.7%
第47回(令和4年度)19,505人17,266人88.5%
第46回(令和4年度)3,548人2,145人60.5%
第45回(令和3年度)18,536人17,104人92.3%
第44回(令和3年度)4,774人2,871人60.1%
第43回(令和2年度)18,107人15,502人85.6%
第43回(令和2年度)4,853人2,993人61.7%
参考:過去の試験実施状況|公益財団法人 理容師美容師試験研修センター

国家試験の難易度は、それぞれ受験資格や受験者数が異なるため、合格率で一概に判断することはできません。

そこで、国家資格の難易度を偏差値で測る国家資格難易度ランキングによると、美容師は理容師と同様の難易度で「簡単」に分類される資格です。

偏差値が同様の国家資格としては、調理師、作業療法士、はり師、あん摩マッサージ指圧師が挙げられます。

美容師になるには?

美容師の資格を取得し、美容師として働くまでのルートは以下の通りです。

1. 養成施設に通う
2. 国家試験に合格する
3. 免許を受ける

順番にみていきましょう。

1.養成施設に通う

美容師になるには、美容師国家試験に合格する必要がありますが、国家試験の受験資格を得るには、都道府県知事が指定する美容師養成施設に通う必要があります。

美容師試験の受験資格を得るには、以下の過程を修了する必要があります。

  • 昼間過程 2年以上
  • 夜間過程 2年以上
  • 通信過程 3年以上

美容師養成施設は、以下から確認可能です。

養成施設一覧|公益財団法人 日本理容美容教育センター

2.国家試験に合格する

美容師養成施設にて、厚生労働省が定める課程を修了し卒業すると、国家試験の受験資格が得られます(卒業見込みも含む)。

国家試験は、実技試験→筆記試験の順に行われ、年に2回(8,9月と2,3月)実施されます。

国家試験の願書受付期間は、それぞれ5月または11月の上旬から下旬です。

試験の内容や合格基準については、後段の「美容師国家試験について」にて詳しく解説しています。

3.免許を受ける

実技試験と筆記試験の合格基準を満たし、美容師国家試験に合格したら、試験実施期間を通じて申請を行い、厚生労働省の美容師名簿に登録し免許を受けなければなりません。

手続きに必要な書類等は、試験合格通知と合わせて郵送される書類をご参照ください。

主な必要書類は、以下の通りです。

  • 美容師免許申請書
  • 戸籍抄(謄)本又は本籍が記載されている住民票
  • 登録手数料5,200円の払込済の「振替払込請求書兼受領証」
  • 収入印紙9,000円分(免許登録における登録免許税)
  • 精神の機能の障害に関する医師の診断書

免許証は、試験実施期間が簡易書留にて受付後、約2〜4週間で郵送されます。

ここまでの試験、手続きを経て、晴れて美容師として働くことができます。

美容師国家試験について

美容師国家試験は、実技試験と筆記試験に分かれており、年に2回(8,9月、2,3月)実施されます。

美容師国家試験の実施概要や、試験の内容について、詳しくみていきましょう。

美容師国家試験の概要

試験日※2023年度

試験日①
【実技試験】2023年8月1日(火)※例年8月上旬
【筆記試験】2023年9月3日(日)※例年9月上旬

試験日②
【実技試験】2024年2月1日(木)※例年2月上旬
【筆記試験】2024年3月3日(日)※例年3月上旬
試験会場【実技試験】
滋賀県を除く各都道府県

【筆記試験】
16都道府県(北海道、岩手県、宮城県、群馬県、千葉県、東京都、神奈川県、石川県、愛知県、大阪府、岡山県、広島県、愛媛県、福岡県、鹿児島県、沖縄県)
試験時間【実技試験】
第1課題 カッティング
モデルウィッグの審査
カッティングの準備(7分間)
カッティング試験(20分間)
モデルウィッグの顔面拭き取り(1分間)
仕上がり審査
 
第2課題 オールウェーブセッティングorワインディング
モデルウィッグの審査
オールウェーブセッティング(ワインディング)の準備(7分間)
オールウェーブセッティング(ワインディング)試験(25分間)
モデルウィッグの顔面拭き取り(1分間)
仕上がり審査

【筆記試験】
13:20〜15:00(100分間)
※12:50までに入室
受験資格厚生労働大臣または都道府県知事の指定した美容師養成施設に平成10年4月以降に入学し、所定の課程(以下)を修めた者。
●昼間課程:2年以上
●夜間課程:2年以上
●通信課程:3年以上

厚生労働大臣または都道府県知事の指定した美容師養成施設に平成10年3月31日以前に入学し、所定の課程(以下)を修めた後、平成14年3月31日までに1年以上の実地習練を行った者。
●昼間課程:1年以上
●夜間課程:1年4ヶ月以上
●通信課程:2年以上
受験申込期間試験日①
5月上旬〜下旬

試験日②
11月上旬〜下旬
受験申込方法郵送またはインターネット
受験申し込み手続き|公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
受験手数料25,000円(実技・筆記両方)
※どちらか一方の場合は12,500円
筆記試験の試験形式マークシート形式(四肢択一式)
配点、出題数【実技試験】
カッティング
モデルウィッグ規格適合状況(50点)
モデルウィッグに対する禁止事項の有無(50点)
カッティング技術用用具類の有無及び規格(50点)
仕上がり状態(70点)
毛髪の長さ(50点)
ヘムラインのつながり(20点)
カットライン(切り口)のつながり(70点)
左右シンメトリー(40点)
参考:美容師実技試験第1課題 カッティング審査マニュアル|公益財団法人 理容師美容師試験研修センター
 
オールウェーブセッティング
モデルウィッグに対する禁止事項の有無(50点)
オールウェーブセッティング技術用用具類の有無及び規格(50点)
作業終了後の処置状況(20点)
仕上がり状態(50点)
技術の条件の適合状況(50点)
全体のバランス(30点)
フィンガーウェーブ構成(50点)
ピンカール構成(60点)
ピニング(10点)
参考:美容師実技試験第2課題 オールウェーブセッティング審査マニュアル|公益財団法人 理容師美容師試験研修センター
 
ワインディング
モデルウィッグに対する禁止事項の有無(50点)
ワインディング技術用用具類の有無及び規格(50点)
作業終了後の処置状況(10点)
仕上がり状態(50点)
技術の条件の適合状況(50点)
ロッドの種類と配列(60点)
ロッドの方向性とステムの角度(110点)
輪ゴムの掛け方とロッドの巻き収め状態(110点)
参考:美容師実技試験第2課題 ワインディング審査マニュアル|公益財団法人 理容師美容師試験研修センター
 
【筆記試験】
55問
合格基準【実技試験】
(1)及び(2)の両方の条件を満たしている場合
(1)衛生上の取扱試験
              減点が20点以下であること
(2)基礎的技術試験(①及び②の両方の条件を満たしている場合)
①第1課題 カッティングの減点が30点以下であること
②第2課題 オールウェーブセッティング(またはワインディング)の減点が30点以下であること
 
【筆記試験】
全55問中60%以上の正答率であること
合格発表日試験日①
9月下旬

試験日②
3月下旬

美容師試験のスケジュール

試験日①(秋期)
5月上旬〜下旬:願書受付
8月上旬:実技試験
9月上旬:筆記試験
9月下旬:合格発表
試験日②(春
11月上旬〜下旬:願書受付
2月上旬:実技試験
3月上旬:筆記試験
3月下旬:合格発表

実技試験の内容

【試験の流れと作業時間】

第1課題 カッティング
1. モデルウィッグの審査
2. カッティングの準備【7分間】
3. カッティング試験【20分間】
4. モデルウィッグの顔面拭き取り【1分間】
5. 仕上がり審査
 
第2課題 オールウェーブセッティング(第49回試験の場合)
1. モデルウィッグの審査
2. オールウェーブセッティングの準備【7分間】
3. オールウェーブセッティング試験【25分間】
4. モデルウィッグの顔面拭き取り【1分間】
5. 仕上がり審査

筆記試験の内容

筆記試験はマークシート形式の四肢択一式で、55出題されます。試験時間は100分間です。

試験課目全7課目5分野に分けて出題され、5分野のうち4分野は理容師と共通問題です。

【筆記試験7課目】

  1. 関係法規・制度
  2. 衛生管理
  3. 保健
  4. 香粧品化学
  5. 文化論
  6. 美容技術理論
  7. 運営管理

7課目を5分野に分類し、以下の出題数にて出題されます。

分野名重点項目出題数
関連法規・制度
及び運営管理
①関連法規・制度
 ●美容師法
 ●生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律
 ●保健所の役割
 ●衛生行政
 ●政策金融の意義と仕組み
 ●消費者保護の仕組み
②運営管理
10問
衛生管理①公衆衛生
②感染症
③衛生管理技術
15問
保健①人体の構造及び機能
②皮膚科学
10問
香粧品化学従来の美容の物理化学のうちの香粧品化学5問
文化論及び
美容技術理論
①美容技術理論
 ●美容技術理論
 ●まつ毛エクステンション
 ●美容器具
 ●色彩及びデザイン
②文化論
15問
合計 55

美容師国家試験の過去問

美容師試験のイメージを掴むために、過去問の出題例を見ていきましょう。

美容師実技試験の過去問

美容師試験の実技試験は、基本的に毎年同様の課題で行われます。

大きく分けて実技中の衛生面を審査する「衛生上の取扱試験」とカットやパーマの技術面を審査する「基礎的技術試験」の2つの観点から審査されます。

流れは前段で解説した通り、第1課題のカッティングと第2課題のオールウェーブセッティング(orワインディング)という流れで進み、所要時間は60〜90分程度です。

実技試験に関しては、それぞれの審査基準が試験実施団体の公式HPにて公開されているため、熟読し、参考しましょう。

衛生上の取扱試験審査マニュアル

美容師実技試験第1課題カッティング審査マニュアル

美容師実技試験第2課題ワインディング審査マニュアル

美容師実技試験第2課題オールウェーブセッティング審査マニュアル

美容師筆記試験の過去問

美容師試験の筆記試験は、7課目5分野が出題されます。四肢択一式と、マークシート形式での回答にも慣れておく必要があるでしょう。

「関連法規・制度及び運営管理」分野

出典:第48回(令和5年度)美容師国家試験-問題3、問題8

「衛生管理」分野

出典:第48回(令和5年度)美容師国家試験-問題13、問22

「保健」分野

出典:第48回(令和5年度)美容師国家試験-問題27、問34

「香粧品化学」分野

出典:第48回(令和5年度)美容師国家試験-問題37、問40

「文化論及び美容技術理論」分野

出典:第48回(令和5年度)美容師国家試験-問題44、問53

美容師試験は、過去問演習を行えば出題傾向をある程度掴むことができます。

四肢択一でマークシート形式ということもあり、合格にはその試験方式や出題傾向に慣れていくことが筆記試験合格への近道です。

多くの方は養成施設での対策や講義などをもとに過去問演習等を行うかと思いますが、アプリやWebサイト、一問一答などでスキマ時間を活用すればより効率よく試験対策を進められるでしょう。

美容師国家試験の過去問演習には過去問研究所@Candyzがおすすめ!

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美容師国家資格まとめ

美容師の仕事内容や国家試験について、理容師と比較しながら詳しく解説してきました。

美容師と理容師は国家試験でも共通問題が多く、法改正によりダブルライセンスをより短期間で取得できるようにもなりました。

働きながらでもスマホやタブレットでの学習を活用して効率よく試験対策を行うことが可能です。

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